森林・林業・木材関連用語集

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あ行

◎うっ閉(うっぺい)
 隣り合う林木の樹冠が相接、林冠に隙間がなくなった状態。閉鎖。

◎エリートツリー
 精英樹(第一世代)の中でも特に成長や材質に優れたもの同士を交配してできた、第二世代以降の精英樹のこと。

か行

◎皆伐(かいばつ)
 一定面積の立木の全部、または大部分を一度に伐採すること。

◎拡大造林(かくだいぞうりん)
 天然林を伐採した跡地や原野などに人工造林を行うこと。
 増大する木材需要に応えるため、1957年(昭和32年)から1960年代後半にかけて推進された。

◎カスケード利用
 木材を建材等の資材として利用した後、ボードや紙等の利用を経て、最終段階では燃料として利用すること。

◎下層植生(かそうしょくせい)
 植栽の時期や樹種構成の関係により樹冠が2層以上の構造を有している森林において、下位の層にある樹冠を構成する木及び草木類からなる植物集団を指す。

◎乾燥材(かんそうざい)
 製材品を建築用材などとして使用する前に、あらかじめ乾燥させた木材。
 木材に含まれる水分を一定の水準まで減少させることにより、寸法の狂いやひび割れ等を防止し、強度を向上させる効果がある。
 蒸気式などの乾燥装置で人工的に乾燥したものと、屋内外で一定期間自然に乾燥したものがある。

◎間伐(かんばつ)
 育成過程の林分で、林木の利用価値の向上と森林の有する諸機能の維持増進を主目的に、林間がうっ閉(林木相互間の競合開始)した後、目的樹種を主体にその一部を伐採する作業のこと。

◎間伐材(かんばつざい)
 間伐によって生産された木材。

◎クラスター
 ブドウ等の房や魚等の群れを意味し、産業クラスターとは、関連する分野や事業がお互いに結びつくことによって、新たな相乗効果を生み出す産業・事業群の総称。

◎公益的機能(こうえきてききのう)
 森林の機能のうち、水源涵養(かんよう)機能、山地災害防止機能、生活環境保全機能、保健文化機能などをいう。

◎更新(こうしん)
 森林や樹木などの世代交代。

◎高性能林業機械(こうせいのうりんぎょうきかい)
 1台の機械で、多くの工程を処理したり、単一の工程を能率よく処理できる木材伐出用の専用機械をいう。
 機械の種類には、プロセッサ(玉切り・枝払い)、ハーベスタ(伐倒、玉切り・枝払い)、タワーヤーダ、スイングヤーダ(集材)、スキッダ(集材)、フォワーダ(集材運搬)、グラップルソー(玉切り、集積、積み込み)等がある。
 国内には1980年代後半から導入されるようになった。

◎合板(ごうはん)
 丸太から大根のカツラムキのように薄板をつくり、繊維方向を交互にして接着剤で貼り合わせた板。

◎公有林(こうゆうりん)
 地方公共団体が所有する森林。
 都道府県有林、市町村有林などのこと。

◎広葉樹(こうようじゅ)
 平たくて幅の広い葉をもった樹木(例:ナラ、シラカバなど)

◎国有林(こくゆうりん)
 国が持ち主の森林。
 大部分は林野庁(森林管理署)が管理しており、国土の20%を占める。

◎根系(こんけい)
 植物の地下部の総体をいう。
 樹木の根系は、樹種によって深根姓のものと浅根性のものとがある。

◎コンテナ苗(こんてななえ)
 容器(コンテナ)で育苗された苗。
 苗畑管理や植栽の省力化を図ることができるとともに、活着率が高く植栽後の成長が良いとされている。

さ行

◎再生可能エネルギー(さいせいのうかのうエネルギー)
 化石燃料などの限りがあるエネルギー資源に対し、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱など一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しにエネルギー。

◎再造林(さいぞうりん)
 人工林の伐採跡地に人工造林を行うこと。
 多くは、針葉樹人工林の伐採跡地に再び針葉樹の苗木を植栽する。

◎作業システム(さぎょうしすてむ)
 木材生産現場での「作業」と「機械」と「人」の有機的な組み合わせであり、伐倒から造材、集材、運搬までの一連の作業方法のこと。
 林道からの距離や地形、生産目的により最適なシステムは異なる。
 集材方法により「車両系」と「架線系」に大別される。

◎作業道(さぎょうどう)
 伐採、造林、保育等の森林施業を行うために、林道等から作業現場へ向けて整備した自動車の通行が可能な幅員3m程度の作業用道路。

◎里山(さとやま)
 集落の近くにある森林の総称。
 集落の近くにあって、地域住民が日常生活の中で、生活用燃料や堆肥を作るための落ち葉の採取等に利用している、あるいは、利用していた森林。
 近年では周辺の水辺や農地を含めて里山として扱う場合もあり、生物の生息空間としての重要性が見直されている。

◎下狩り(したがり)
 植栽木の成長を妨げる雑草木を刈り払う作業。

◎獣害(じゅうがい)
 獣類によって、樹皮をはがされたり若木が食害を受けたりする被害のこと。

◎集成材(しゅうせいざい)
 板材や角材を、厚さ、幅、長さ方向に接着して集成した木材。

◎樹冠(じゅかん)
 樹木の枝と葉の集まりのこと。

◎樹冠長率(じゅかんちょうりつ)
 樹冠の長さを樹高で除した比率。
 風害や雪害などの気象災害に対して安全性を高めるには、40~60%の比率が望ましいとされている。

◎主伐(しゅばつ)
 木材として利用できる時期にきた木を伐採・収穫すること。
 基本的に次世代の樹木の育成(更新)を伴う伐採で、更新伐採ともいい、更新を伴わないと間伐とは区分される。
 主に皆伐と択伐に区分される。

◎植栽(しょくさい)
 苗木を植え付けること。

◎植林(しょくりん)
 森林を造成する目的で植栽を行うこと。

◎除伐(じょばつ)
 若齢の森林で、目的樹種の成長を妨げる目的樹種以外の樹種を中心に除去する作業。

◎針広混交林(しんこうこんこうりん)
 針のような葉をもった「針葉樹」と平たくて広い葉をもつ「広葉樹」が混ざりあった森林。

◎人工林(じんこうりん)
 苗木の植栽や播種などの人為によって更新された森林。

◎針葉樹(しんようじゅ)
 細くとがった葉をもった樹木のこと(例:スギ、ヒノキ、モミ)。

◎森林組合(しんりんくみあい)
 森林組合法に基づいて組織された、森林所有者を組合員とする協同組合。

◎森林経営計画(しんりんけいえいけいかく)
 森林所有者等が自発的に立てる森林の経営に関する5年間の計画。
 持続的な森林経営の確立を目指すもの。

◎森林経営の集約化(しんりんけいえいのしゅうやくか)
 森林経営が困難な状況にある、または経営意欲のない森林所有者の森林経営をとりまとめること。

◎森林計画制度(しんりんけいかくせいど)
 森林法によって定められた、全国の森林の様々な取り扱いに関する計画体系。
 国による全国森林計画、都道府県による地域森林計画、市町村による市町村森林整備計画、森林所有者などによる森林経営計画などがある。

◎森林資源(しんりんしげん)
 直接的な意味では、森林から採取して生活に用いられる有用な材料や原料となるものをいい、製材、紙、パルプなどに用いられる材料、落葉や枝を含めた薪や炭などの燃料材、キノコ、薬草、木の実、竹、樹皮、樹液、樹枝、繊維、染料などの市場で取引される商品、および日常生活での必要品など。
 その後、水や空気や土壌など森林の存在によって生じる自然環境、さらには、水、大気、土などの物質そのものよりも、水の循環、大気浄化や気候の安定、土の生産・流出防止などの森林に備わっている環境維持機能も森林資源であると考えるようになってきた。

◎森林所有者(しんりんしょゆうしゃ)
 森林を保有する者、あるいは所轄する者。

◎森林整備(しんりんせいび)
 森林施業とそのために必要な施設(林道など)の作設、維持を通して森林を育成すること。

◎森林施業(森林施業)
 主に木材生産を目的に、森林に対して様々な働きかけをすること。
 対象とする森林タイプで分けて「針広混交林施業」「広葉樹林施業」、伐期で分けて「短伐期施業」「長伐期施業」、収穫と更新のしかたで分けて「択伐林施業」「複層林施業」というように使う。

◎森林の有する多面的機能(しんりんのゆうするためんてききのう)
 森林の有している機能で、森林が人間に、ある効果を及ぼす時、その効用を及ぼす能力を森林の機能という。
 一般に木材生産機能、保健・教育・文化機能、野生動植物の生息地保護機能、水源涵養機能、防災機能、生活環境機能、などが挙げられる。

◎森林法(しんりんほう)
 わが国林政における最も基幹的な法律(昭 26 法 249)。
 1897(明 30)年に第1次、1907(明 40)年に第2次森林法が制定され、1939(昭 14)年の改定を経て、1951(昭 26)年に現行のものが制定された。
 森林計画、保安林、その他の森林に関する基本的事項を定め、森林の保続培養と森林生産力の増進を図ることにより国土の保全と国民経済の発展に資することを目的とする。

◎森林・林業基本計画(しんりん・りんぎょうきほんけいかく)
 森林・林業基本法第11条に基づき、政府が立てる森林・林業・木材産業に関する基本計画で、森林の多面的機能の持続的発揮、林業の健全な発達、林産物の利用及び供給の確保を柱とし、森林・林業・木材産業の目標設定と関連施策を示している。

◎森林・林業再生プラン(しんりん・りんぎょうさいせいぷらん)
 今後10年間を目途に、路網の整備、森林施業の集約化及び必要な人材育成を軸として、効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進めるとともに、木材の安定供給と利用に必要な体制を構築し、我が国の森林・林業を早急に再生していくための指針として平成21年12月に国が公表。

◎次世代の大分森林づくりビジョン(じせだいのおおいたもりづくりびじょん)
 大分県が今後の目指す森林の姿とその現実に向けた誘導方針、施業方法等を明らかにし、林業関係者の森づくりの指針を詳細にまとめたビジョン。
 平成25年3月に策定。

◎水源涵養機能(すいげんかんようきのう)
 洪水を緩和させる、流量を安定させる、水質を浄化するなど、森林のもつ水資源を保全する働き。

◎筋刈り(すじがり)
 植栽列に沿って下刈りをすること。

◎製材(せいざい)
 丸太から角材や板材を挽き出すこと、またはその製品。

◎生物多様性(せいぶつたようせい)
 生物が多くの種に分化し、その類似の程度が一様でない現象を生物の多様性という。

◎施業(せぎょう)
 本ビジョンでは森林施業の意味で使用。

◎施業の集約化(せぎょうのしゅうやくか)
 小規模森林所有者をまとめ、大規模に森林施業を行えるようにすること。
 森林施業の低コスト化につながる。

◎全国森林計画(ぜんこくしんりんけいかく)
 農林水産大臣が森林・林業基本計画に即し、全国の森林について5年ごと15年を1期として立てる計画。

◎潜在自然植生(せんざいしぜんしょくせい)
 一切の人間の干渉を停止したと仮定したとき、現状の立地気候が支持し得る植生のこと。

◎造林(ぞうりん)
 森林の生育過程を通して、育成管理すること。

◎素材生産(そざいせいさん)
 立木を伐採し、造材して素材(丸太)を生産すること。

た行

◎地域森林計画(ちいきしんりんけいかく)
 民有林を対象として、森林計画区毎に都道府県知事が全国森林計画に即して5年ごと10年を1期として立てる計画

◎蓄積(ちくせき)
 林分の材積の総量を指し、森林薄では小班ごとに整数の㎡単位で表している。

◎坪刈り(つぼがり)
 植栽木の周りだけを下刈りすることをいう。

◎ツリーシェルター
 シカなどの獣害から苗木を守るための筒状の資材。
 獣害を防ぐ以外に、苗木の成長促進も効果がある。

◎特用林産物(とくようりんさんぶつ)
 主として森林原野において産出された産物で、通常林産物と称するもの(加工炭を含む)のうち、一般用材を除く品目の総称をいう。
 具体的には、きのこ類、特用樹(和紙などの原料となる、こうぞ、みつたま等)、山菜類、薬用植物、樹実(くり、とちの実等)類、樹脂類、木炭。

な行

◎二次林(にじりん)
 その土地本来の自然植生が、災害や人為によって破壊され、その置き換え群落として発達している森林。

◎認定林業事業体(にんていりんぎょうじぎょうたい)
 林業労働力の確保を目的とした「林業労働力の確保の促進に関する法律」に規定される事業体。

は行

◎バイオマス
 再生可能で生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの。
 例えば、木質のバイオマスは、地球に降り注ぐ太陽のエネルギーを使って、無機物である水と二酸化炭素から、生物が光合成によって生成した有機物であり、生命と太陽エネルギーがある限り、持続的に再生可能な資源として注目される。

◎保安林(ほあんりん)
 水源の涵養等、特定の公共目的を達成するため、農林水産大臣、又は都道府県知事によって指定される森林。
 このような森林は、木を伐ることが制限されたり、木を植えることが義務づけられるなど、法律による規制を受ける。

◎保育(ほいく)
 植栽してから伐採の間、健全な森林の造成を主目的に行う、下刈りや間伐などの施業の総称。

ま行

◎緑の雇用(みどりのこよう)
 現場技能者を段階的かつ体系的に育成する、林業事業体を支援する事業。
 平成15年度から事業開始。

◎民有林(みんゆうりん)
 個人、地方公共団体などが持ち主の森林
 国有林以外の森林のこと。
 民有林には、市有林(個人有・会社有・社寺有など)、公有林(県有、市町村有、財産区有など)がある。

◎木育(もくいく)
 木の良さや利用の意義などを総合的に学ぶこと。
 木材や森林との関わり合いから、知育、徳育、体育の3つの側面を効果的に育む取り組み。

◎木材産業(もくざいさんぎょう)
 木材を原料とした加工・流通に関連する生産業、販売業の総称。

◎木質バイオマス発電(もくしつばいおますはつでん)
 木材の樹皮やおがくず・チップなどの木質系バイオマスを、ボイラーで燃焼して、電力と蒸気を取り出す発電施設をいう。

ら行

◎リカレント教育(りかれんときょういく)
 社会人が必要に応じて学校へ戻って再教育を受ける、循環・反復型の教育体制。

◎立木(りゅうぼく)
 土地に生立している木のこと。

◎利用間伐(りようかんばつ)
 伐採した材を搬出、利用する間伐

◎林業経営(りんぎょうけいえい)
 林地を生産基盤として、林産物(主に木材)の生産・販売などをする営みをいう。

◎林業事業体(りんぎょうじぎょうたい)
 他社からの委託、または立木の購入により、造林・伐採などの林内作業を行う森林組合、素材生産業者など。

◎林地(りんち)
 木竹が集団で生立している土地を指す場合が一般的。

◎林分(りんぶん)
 林相がほぼ一様で、隣接する森林と区別できるような条件を備えた森林。
 例えば、樹種、樹齢、林木の直径などが揃っているなどで、林業経営上の単位として扱われる。

◎林齢(りんれい)
 森林の年齢のこと。
 人工林では、苗木を植えた年を「1年」として、以下「2年」「3年」…と数える。

◎齢級(れいきゅう)
 森林の年齢(林齢)を一定の幅にくくったもの。
 一般に5年を一区切りにし、林齢1~5年を「1齢級」、6~10年を2齢級、以下3齢級、4齢級という。

◎路網(ろもう)
 森林内にある公道、林道・作業道の総称。
 または公道、林道、作業道などを適切に組み合わせた全体をいう。

A~Z

◎A材(えーざい)
 一般製材用に用いられる直材(丸太)の略称。

◎B材(びーざい)
 曲がり材や短尺材の略称。
 B材は、主として、合板や集成材の原料となる。

◎C材(しーざい)
 低質材の略称。
 C材は、主として、チップ用(製紙原料)やパーティクルボードなどの原料として使われている。

◎D材(でぃーざい)
 木材としての利用価値が低いとされる根元部分や枝葉部分の略称。
 今後は木質バイオマス発電の燃料として利用することが期待される。

木材の魅力は、優れた調湿機能・吸音性・香り・柔らかさ・紫外線の吸収・温もりと癒し効果などがあります。
森林の中で生まれた木材は、大自然の力で人を包み込むように守ってくれるのです。

※天日でじっくり乾燥させた材は化学物質過敏症の方にも良いという症例もあり、アレルギーでお悩みの方などには特にお試しいただく事をおススメいたします。